葬儀では霊柩車が今も昔も使われていますが、これも徐々にそのスタイルが変化してきています。霊柩車は告別式が終わって火葬場へ向かうための車ですが、それだけのために使用されます。死亡した病院や自宅から葬儀会場など、火葬場以外への移動では全く使用されず、これとは別の寝台車と呼ばれる車が使用されます。
その霊柩車はそれ自体は新規で製造されず、既存の一般的な車を改造して作られます。改造の過程では車体の後部の一部を切り取って、そこに棺桶を入れられるように設計したうえで、別の車体を接合して作られます。その改造費は車の種類次第ですが、約1500万円ほどするともいわれます。
その改造された車は昔は宮型と呼ばれる種類が一般的で、これは後部が金色の派手な装飾が特徴でしたが、今では火葬場近隣住民からのクレームなどでほぼ絶滅してしまいました。代わりに現在の主流は洋型と呼ばれる種類で、派手な装飾がなされていません。
その洋型も徐々にスタイルが変化していて、初期は運転席と助手席しか人間が乗れないのが一般的でしたが、今では後部座席も用意されているリムジン型が増えてきています。これでご遺族は合計して4人乗れることになります。
そのリムジン型の塗装も依然として黒色が多いですが、一部では白色など黒以外の塗装も少数派ながら活動しています。なお火葬場で棺桶を下した後は、その車はご遺族を乗せることなく戻ってしまいます。そのためご遺族は火葬場から葬儀会場へ戻るためのアクセス方法を考えなければなりません。